知識考房(Sophia Design Works)は、社会貢献、地域活性化、環境問題、教育などの課題に対して、人々や地域の能力開発を念頭に様々な構想つくりに励んでいます。特に、戦略思考の基盤となる歴史/文化/制度/技術など、現代社会における複雑な事象を紐解き視覚化。新たな活動の概念を発想させることに注力し、次世代の人々や地域の成長に貢献したいと考えています
知識考房は 世の中のことやものの仕組みを体系化し 快適な情報環境を提案します
説明会に出る時間もない 資料を読む時間もない やることが多くて余裕もない...
情報を渡す相手は誰?セミナー参加者?それともその後ろにいる人?
時々、このような会話が聞かれます。
セミナーに参加するのは、それを聞く時間のある人。セミナー講師は、その相手の方に理解を深めてもらうために、内容の背景や現状や今後の方向性など、順を追った説明をしていくことになります。聞く側はメモを取るものの、とても全部を覚えきれるものではないでしょう。
その後、第三者に話すことになるわけですが、その頃には情報は薄れ、頼りになるのは書き取ったメモと配られた資料のみ。自分で理解したと思っても、第三者に説明できなければ「分かった」とはいえません。私自身は、常に第三者を意識した「まとめ図解」を資料として配布することにしています。
「子供電話相談室」というラジオ番組があります。この中では、子供たちが質問をするのですが、あまりにも素朴な質問なので回答する先生方も苦笑い。それでもその子供の知識レベルに合わせ賢明に説明します。回答した後、先生方がその理解度を確認するため、便宜上「分かったかなー?」と聞くと、子供達の多くは「分かった」と答えます。本当に理解できたかどうかはわかりません。
他人に説明して初めて「分かる」ことができる
その後、電話のおねえさんが聞きますが、「お母さんにちゃんと話せるかなー」と聞く言葉が印象的です。自分で理解しても、他人に話せなければ「分かった」ことになりません。人の話を聞く際には、第三者に話せるよう意識して聞くようにしています。うまく説明できない時に補うのが「図解」。これからの勉強方法に大いに役立つものと考えています。
清里を拠点とするプロゴルファーが、自分の思いを語りました。その思いをスクールの生徒に対してどのように伝えたらよいか。松山英樹に代表される若いトッププレヤーは、体力もあり技も冴えます。しかし意外と弱いのがメンタル面。逆に、経験豊富な年配のゴルファーは年齢とともにメンタル面には強いものの体力は確実に落ちていきます。一方、一般のゴルファーは年齢や体力にかかわらず、非日常的な場所では、プレッシャーを感じるものです。その意味でメンタル面の強化は、一般ゴルファーにとって重要な課題といえるでしょう。
と、自分ではわかっていてもどのように伝えるか、それが問題だったのです。そこで、インタビューを通して、レッスンプロが訴求する想いの本質を探り、「心・技・体」という三つの要素の中央に「達成感」があることに気が付いたのです。生徒さんに解説する際は、この三つの輪をイメージすることで、わかりやすい説明ができるようになった、との言葉を頂戴しました。
「世の中の役に立つということは 何によってわかるのか」。答えは一人ひとり異なります。問題を解決し、その思いを込めて「説得」することは大事ですが、相手が「納得」していなければ、役に立ったとはいえないでしょう。伝えたい思いをまとめ、どのように表現するかが難しいところです。